うんちくの部屋

2025.02

多くの人が勘違いする調光レンズと偏光レンズの違い

 調光レンズと偏光レンズは、どちらも目の保護や視界の向上を目的としていますが、機能が異なるため、よく混同されがちです。以下にそれぞれの特徴を説明します。

調光レンズ (フォトクロミックレンズ)

 調光レンズは、光の強さに応じてレンズの色が変わるタイプのレンズです。外に出ると紫外線(UV)の影響を受けてレンズが暗くなり、屋内や暗い場所ではレンズがクリアに戻ります。このレンズの主な目的は、外光の変化に応じて視界の快適さを保つことです。

• 特徴:

  o 紫外線に反応して色が変化

  o 明るい場所では暗く、暗い場所では透明

  o 自動調整なので、メガネをかけたまま環境に適応できる

• 用途:

  o 屋外活動(例えば、日常の外出やスポーツ)での視界調整


偏光レンズ (ポラライズドレンズ)

 偏光レンズは、反射光や乱反射光をカットすることによって、視界をクリアにし、目の疲れを軽減します。特に水面や道路などでのギラつきや眩しさを抑えることができます。このレンズは、目に有害な紫外線をカットする効果もありますが、調光レンズとは異なり、レンズの色自体は変わりません。

• 特徴:

  o 反射光をカットする

  o ギラつきや眩しさを軽減

  o 色調は変わらない(暗くならない)

• 用途:

  o 車の運転や釣り、雪山でのアクティビティなど


まとめ

 調光レンズは光の強さに反応して色が変わるのに対し、偏光レンズは光の反射を抑えることに特化しています。どちらも視界を改善するための機能がありますが、目的や使用シーンが異なるため、選び方に迷うことが多いです。


* 注意点

◎調光レンズは紫外線に反応してレンズの色が濃く変わります。車の運転中はUVカットのフロントガラ スが紫外線を吸収するため、色は変わらないので運転中のサングラスとしての機能は発揮しませんのでご注意ください。


2025.02

スマホ老眼とは

 スマホ老眼とは、スマートフォンやタブレットなどの画面を長時間見続けることで、目の筋肉が緊張して凝り固まり、ピント調節が一時的に出来なくなる症状です。また、ブルーライトの影響で目に負担をかけることや、注視するあまりまばたき回数が減り乾燥しやすくなることも原因とされます。このことが疲れ目の原因になり肩こりや頭痛などを引き起こします。若い年齢でも発症することもあり、現代病の一つともよばれています。

 予防や対策としては、定期的に目を休め遠くを見たり近くを見たりを繰り返し眼の緊張を解いてあげることや、適切な明るさを確保し、ブルーライトカットメガネを使用することも有効とされます。また、目を閉じて温かめのタオルをまぶたに当てるのも効果的です。特に夜就寝前のスマホの長時間使用は極力控えることが重要です。質の高い睡眠をとるように心がけましょう。

 一方加齢による通常の老眼の方は、その目的距離に合った近用メガネが必要となります。使用目的の距離に合わないメガネを使用することも眼精疲労の原因の一つになります。その人の生活環境や仕事・趣味などに応じて、近用専用・中近用・近近用・遠近両用など様々な種類のレンズから、実際にテストレンズを掛けて確認をしながら最適なものを選ぶことが大切です。

 当社では、視力測定・メガネの掛け具合の調整・クリーニング等は常時無料で行っておりますので、眼やメガネに関するご相談はどうぞお気軽にお申し出下さい。店頭スタッフが親切丁寧に対応させて頂きます。目に合った正しいメガネの使用であなたの大切な眼を守りましょう。


2025.01

遠視と老眼は同じものですか?

 遠視と老視は違うものです。遠視は網膜後方に像を結ぶ「屈折異常」で、老視は加齢変化により水晶体の弾力性低下で近くの物にピントが合わなくなった「調節力不足」です。【注】近視の方は、裸眼状態なら近くにピントが合いやすく、水晶体の弾力性が低下しても近くが見えるので、遠視や正視の方と違って「近くを見る時にメガネを外す」行為で老視を自覚されることが多いです。

遠視とは?

 網膜の後方に像が結ばれ、程度により調節力を働かせて遠くが見える場合もありますが、正視とは異なります。常に過度の調節状態が続くので疲労や頭痛がおきたり、ピントが合わなくなったりします。また子供さんの強い遠視の場合はメガネで矯正してあげないと弱視や斜視の原因となります。遠視眼の矯正にはプラスレンズ(凸レンズ)を使用します。

老眼(老視)とは? 

 加齢による調節力低下から、細かい文字や暗いところ、疲れているときなど、見にくいものを見ようとして眼に近づけてもピントが合わない状態です。近くを見たあとで遠くを見ると焦点が合いにくいこともあります。調節力は成長期の終わりから低下が始まりますが、40代半ばくらいから老視として自覚されることが多いです。フォーカスレンズの役目を担う水晶体の弾力性が低下して厚くなることができなくなるのが原因です。近視、遠視、乱視の人も老視になります。上記【注】のように、近視の方はメガネを外す行為で近くを見ることが出来ますが、これも老眼と言えます。


2024.12

UVカットレンズの必要性

 UVカットレンズは、目を有害な紫外線(UV)から守るために重要です。紫外線は目にさまざまな影響を与える可能性があり、長期間曝露されると視力に深刻な影響を及ぼすことがあります。具体的な理由は以下の通りです。

1. 白内障の予防

 紫外線が眼の水晶体にダメージを与え、白内障を引き起こすことがあります。白内障は、目の水晶体が濁り視力が低下する病気で、進行すると手術が必要になることもあります。UVカットレンズは、このリスクを減らすのに役立ちます。

2. 角膜や結膜の損傷防止

 紫外線が角膜や結膜に当たると、炎症や痛みを引き起こすことがあります。また、紫外線は結膜炎や角膜炎を引き起こす原因にもなり得ます。UVカットレンズはこうした損傷から目を保護します。

3. 加齢黄斑変性症のリスク低減

 加齢黄斑変性症(AMD)は、視力の中心部である黄斑が損傷する病気で、紫外線がこの疾患のリスク要因のひとつとされています。UVカットレンズは、目の黄斑を守る助けとなります。

4. 目の疲れや不快感の軽減

 強い日差しの中で目を保護するためにUVカットレンズを使用することで、目の疲れや不快感を軽減できます。特に、屋外での活動やドライブ時には、紫外線を遮断することで快適さが増します。

5. 肌の保護

 目の周りの皮膚は非常にデリケートで、紫外線に晒されるとシワやシミの原因となります。UVカットレンズを使用することで、それらの予防をすることができます。

 

 紫外線は目にとって非常に有害で、長期的な影響を避けるためにはUVカットレンズを使用することが効果的です。特に屋外で長時間過ごす際には、紫外線から目を守るためにUVカット機能を持ったレンズを選ぶことが大切です。


2023.07

遠近両用メガネって、どんなもの?

~遠近両用累進メガネQ&A~

 「遠近両用累進メガネ」と一言でいいましても、その正しい使い方もありますし、いろいろなタイプがあります。今回は、「Q&A方式」で特徴・使用方法を説明したいと思います。


Q1.誰でも簡単に使用出来るのですか?

 レンズの特性をしっかり理解し、その使い方をマスターすることが大切です。例えば「自動車」のように、運転をマスターし、安全に乗りこなしてこそ便利な乗り物となるのと同じです。


Q2.新聞を読むと一部しか見えないのですが? 

 このメガネは、すべての部分で近くが見えるのではなく、レンズ下部のみでご覧頂くことになります。アゴをあまり引かず、下目使いで顔の正面にてご覧下さい。見る位置を変えるには、顔も移動させます。


Q3.床や階段が歪んで見えるのですが?

 それは、レンズ下部の近用部分が原因です。解消するにはやや頭を下げ、なるべくレンズ上中部の遠用部分で床・階段を見て下さい。尚、レジャー・ゴルフなどで使う場合には、専用の「アウトドアタイプ」をご使用下さい。


 以上のように、「遠近両用累進メガネ」は万能製品ではなく、練習が必要です。レンズの選別や詳しい使用方法につきましては、ご気軽にご相談下さい。